ウンベルト エーコ 東京創元社
1990/02 ¥2,415
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大好きな作品です。
日常生活から縁遠い知識や言葉がごっそりと詰まっているもんで、ちょっと目を離すと訳が分からなくなります。
そういう緊張感がたまらない。
きっちりと物語と対峙し続ける集中力が問われます。
……私みたいな物知らずだけでしょうが、こんな集中力を問われるのは(汗)
 
 
職場の後輩に、大学で中世哲学を専攻していた女の子がいまして。
で、昨日ちょうどこの本の話になったんですよ。
身近にこの本のことで語り合える人というのはあんまりいなかったので、すごいうれしかったです。
担当教官の専門分野がちょうどこの前の時代〜この辺りの時代の思想のことだったそうで(初期ルネサンスの思想……すでにわからん)、この物語の中でもふれられているフランチェスコ会における貧民救済の方法・思想論とかいろいろと教えてもらいました。
なかなかおもしろかったっす。
 
この後輩さん自身の専攻はルネサンス後期〜近代に至るドイツ哲学だそうなんですが、それでもヨーロッパの哲学を学ぶ上ではどうしてもルネサンス期イタリアの哲学を素通りするわけにはいかないわけで、彼女も必死になってあのあたりの事を勉強していたそうです。
こなだもトマス・アクィナスの本とか読んでたなぁ、そういや。
ただ、日本人が一般的に考える『ルネサンス』という時代(15世紀後半ぐらい)のあたりに出てきた人文主義に関するあたりは、ちょっと苦手だとか。
ピコ・デラ・ミランドラとか、エラスムスとか……?(分からないなりに分かろうとしてみる)
うん、なんとなく分かる気がするよ。
門外漢のあやふやなフィーリングでだけどね……
 
 
 
 

でも、実は彼女が人文主義関係の思想があまり得意ではないというのは、別の理由がありまして。
彼女の台詞を借りれば……
 
「人文主義者たちが出てくるまでは、教皇の権利ってのは地上で絶対だったわけですよ!すごいステキじゃないですか、絶対的な権力!!あこがれですよ(陶酔)」
 
……君もなかなかおもしろい人だねぇ……

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